平手の序盤という壁

3/20(火・祝)で開催されたアマチュア女王戦の初心者クラス(C2)に出場しました。私のように駒落ちでしか将棋を指したことがない人にとって、誰かと平手で対戦するのはとてもハードルが高いことです。ましてや、まだ駒の動き方を覚えたばかりの人にとってはなおのこと。周りに同レベルの人が少ないと、特に序盤を実践で覚えるのはとても難しいのです。今回大会の準備を通じて、特に序盤の勉強について感じたことを書きます。

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平手で将棋を指そうと思ったら次の4点に留意して作戦をたてる必要がある。

  (1)自分が居飛車か振飛車か
  (2)相手が居飛車か振飛車か
  (3)自分の手番が先手か後手か
  (4)角交換をするかしないか(許すか許さないか)

これらに対応できないと、まず勝負にならない。隙をつかれて飛車角を取られて短手数で投了、なんてこともありうる。このうち自分で選択できるのは(1)、ある程度選択権があるのは(4)。(3)は対局直前にならないとわからないし、(2)に至っては指し始めないとわからない。よって事前準備が必要。こう書くと至極当たり前のようだけと、実はこれらのいわゆる「序盤の対応の仕方」を体系的に書いてくれている本はとても少ない。

大抵の初心者本は「駒の動かし方」「戦法の種類」「囲いの種類」「終盤の詰ませ方」で終わってしまう。次の本はもう戦術書。先に挙げた4要素に関しては「何局か指して覚えましょう」と実践推奨。こどもにはそれが一番かもしれないけれど、大人はそれが難しい。なぜなら大人は負け慣れていないし、回数をこなして覚えるときにつきものの「余分な労力」を敬遠するから。実際指して、最初の15手でもう差がついて萎える、なんてよくあること。そのため、「本を読んでからでないと…」「勉強してからでないと…」となかなか踏み出せなくなってしまう。

大人の場合、実践で覚えるのではなく、先に理屈を一旦理解してから指し始めた方が絶対に早いはず。でも序盤の本は戦法別が主流で体系的でない。羽生さんの『将棋序盤の指し方入門』は良書だけれど、どちらかというと一つ一つの戦法を丁寧に書いた戦法書。『出だし4手で知る石橋幸緒の将棋レシピ』は(1)~(4)に沿った良い内容なのだけれど、図が少ないので初心者が読み進めるにはちょっと難しい。これをテキストにして講義が受けられたらいいのに、と思う。

大会に出場すると決めたため、当日までの短期間に序盤を習得しなければならなかった私は、結局飲み会の隙を突いて高段者の方を質問攻めにした。戦法は居飛車に決めたので、残る(2)~(4)の変化パターンを、のべ4時間くらい。これは一つも無駄にならず即効性があった。伺った内容は、キチンと整理すれば初心者でも1~2時間程度で理解できる量だと思う。でもこの序盤の勉強をしたことで、NHK杯や携帯中継の解説も理解できるようになり、観戦が数倍楽しめるようになった。それまでは終盤しかドキドキできなかったけれど、序盤を知って棋士の作戦の一端が見えるようになったから。

本当はその内容をまとめてブログに書きたいけれど、「わかること」<「指すこと」<「教えること」と難易度が上がっていくので、指すことすらおぼつかない私にはまだまとめきる力量がない。本当に残念。でもあきらめずに、少しずつでも書き溜めていきたいと思う。

ただ話を聞くと、ここまで理解してもまだやっと級位者になったレベルらしい。そう考えると、初心者から初級者へのハードルはどれだけ高いのだろうとまた気が遠くなる。私はたまたま素晴らしい将棋仲間に恵まれたけれど、そうでない人は、いつまでもその川を渡れないままだから。

それでも私は、少しでも、川を渡れなかったときの自分を助けたい。自分が引き揚げてもらったように、私も人を引き揚げられる人になりたい。だから今の気持ちを忘れずに、もっと強くなりたいと思う。そして中級以上の皆さん、是非周りにいる初心者に愛の手を!その人がまだ将棋に目を向けてくれているうちに。

最後に、私と同じ初心者のみなさん。「わからない」ことと「わかろうとしない」ことは全く別のこと。もし今、もっと指せるようになりたいと思っているのであれば、お互い恥ずかしがらずにドンドン質問してましょう!たくさん負けてたくさん悔しい思いをして、そして、強い人たちが見ている地平を、一緒に見に行きたいと思います。
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by hirocomic_shogi | 2012-03-25 12:55 | 将棋日記

社会人になって将棋をはじめたヒロすけ(♀)です。2011年秋より「アマ初段」目指して長い坂道をユルユル登っています。プロフィールはカテゴリ「自己紹介」参照、ツイッターは@hirocomic_shogiです。
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